羽毛ふとんの現場

羽毛トーク Glossary

羽毛と羽毛ふとんについてご理解いただくための用語(glossary)ストーリーです。

Vol.001 〈羽毛と水分の関係:水分率編〉

保温と吸湿放散性能

水分量測定
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Vol.001

羽毛の水分率

羽毛は生きている天然素材です。
化学繊維と異なり、吸湿性があるため、含有する公定水分率が定められています。
公定水分率は13%です。
(※羽毛の公定水分率は国際羽毛協会、JIS家庭用品品質表示法で定められています。
ちなみにポリエステルは吸水・吸湿性能がほとんどないため、公定水分率は0.4%となっています。)

例えば羽毛を重量で規定する場合など、公定水分率を超えて水分を含んでいると重くなり、実際の羽毛の重量はそれを下回るということになります。

羽毛ふとんなどの場合、水分の多い羽毛を充填してしまうと1kgだったものが、乾燥した際にはそれを下回ってしまいます。
羽毛ふとんの現場では、まず原料の初期段階で水分率を確認します。
湿気が多く13%を超えている場合は乾燥させて調整します。
この水分率管理をしっかり行うことが、羽毛ふとんを作る基本です。

羽毛ふとんの現場の作業マニュアルでは、羽毛洗浄時、パワーアップ(蘇生加工)時、羽毛ふとん充填時の3つの段階で水分率の確認を行っています。
ダウン

羽毛と水分の関係 保温と吸湿放散性能

羽毛の構造は中心から羽軸が放射状に伸び、羽軸から羽枝が生え、羽枝に無数の小羽枝が生えています。
羽毛は湿度によって微妙に構造を変化させて、吸湿放散作業を行う天然繊維です。

また、羽毛は羊毛と並んで、吸湿すると暖かくなる吸湿発熱繊維でもあります。
吸湿発熱は、水分が表面の水酸基などに吸着されて、運動エネルギーが熱エネルギーに変換されるために起こります。

羽毛の場合、小羽枝は湿気を吸うと伸びて、閉じて行きます。
小羽枝が閉じると空気の層が薄くなり、保温性が落ちますが、小羽枝が閉じることで、通気性がよくなり、湿気は外に出て行きます。

しかし、もともと吸湿発熱繊維でもあるため、今度は羽毛自体が水分により発熱し、空気の層が回復します。
さらに、湿気が外へ放出され、小羽枝がもとのように開き、空気層も膨らんで、もとの保温性能を発揮します。

羽毛は湿度によりこのような変化を繰り返し、温度・湿度を一定に保っているのです。

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